SUS631とはなんですか?

SUS631は、マルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼の一種で、国際的には「17-7 PH」としても知られています。

この材料は、耐食性と高強度、および耐熱性を兼ね備えており、特に高温環境下での使用に適しています。

主な特徴: 析出硬化: SUS631は析出硬化処理(熱処理)を行うことで、非常に高い強度と硬度を得ることができます。析出硬化型ステンレス鋼の特徴として、熱処理後にさらに強度が向上します。

耐食性: SUS631はステンレス鋼の一種であるため、クロムの含有により耐食性を持っていますが、他のオーステナイト系ステンレス鋼(例:SUS304やSUS316)よりは耐食性がやや劣ることがあります。

耐熱性: 高温環境下でも優れた強度を発揮するため、500°C前後の高温でも使用できる特性があります。

磁性: SUS631は、加工や熱処理後に磁性を帯びることが多いです。

用途: SUS631は、耐熱性と高強度が求められる用途で多く使用されています。具体的には、以下のような分野で使われます。 航空宇宙産業: 高温での使用が求められる航空機部品。

ばね材: 強度と弾性が必要なばねやクリップ。 石油・ガス産業: 耐熱・耐腐食性を活かした産業機械や装置の部品。 自動車部品: 特に高強度と軽量化が求められる部品。

この鋼材は、マルテンサイト系として硬化性があり、加工後に熱処理を行うことで非常に高い強度と硬度を得ることができるため、高応力環境や高温環境に適した選択肢となります。