オロル処理は多くのステンレス鋼に適用可能ですが、鋼種によって発色の可否や色の幅に違いがあります。
これは、ステンレス鋼の成分や金属組織の違いにより、不動態皮膜の成長の仕方が異なるためです。

■ オーステナイト系ステンレス(SUS304、SUS316など)

オーステナイト系ステンレスは、オロル処理に最も適した鋼種で、全般的に処理が可能です。
不動態皮膜が均一に成長しやすく、膜厚のコントロールもしやすいため、安定した発色と幅広いカラーバリエーションが得られます。
意匠性を重視する用途や、色の再現性が求められる製品に多く採用されています。

■ フェライト系ステンレス(SUS430など)

フェライト系ステンレスもオロル処理は可能ですが、発色できる色は限定的になります。
これは、オーステナイト系に比べて不動態皮膜の成長が穏やかで、膜厚の変化幅が小さいためです。
そのため、淡色系や落ち着いた色調が中心となり、鮮やかな色合いの再現は難しい傾向があります。

■ マルテンサイト系ステンレス(SUS410、SUS420など)

マルテンサイト系ステンレスについては、処理自体は可能な場合もありますが、黒っぽくなる傾向があります。
これは、炭素量が多く、組織構造の影響で酸化皮膜が均一に成長しにくいため、干渉色として明確な色調が現れにくいことが理由です。
そのため、意匠目的でのカラー表現には適さないケースが多く、事前の評価やテスト処理が重要となります。

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