オロル処理を行う前に知っておくべき注意点などはありますか?
オロル処理はステンレスの素材特性や加工条件の影響を受けやすい表面処理のため、事前にご理解いただきたいポイントがいくつかあります。
■ ステンレスの材質によって、発色できるもの・できないものがあります
オロル処理は、ステンレス表面に形成される酸化皮膜の厚みを精密にコントロールすることで発色させる技術です。そのため、材質による違いが色調に大きく影響します。
オーステナイト系・フェライト系ステンレス
皮膜厚の変化により、青・金・紫などの色調を比較的安定して得ることが可能です。
マルテンサイト系ステンレス
組成の影響により、狙った色にならず黒色化してしまうケースが多く、鮮やかな発色が難しい場合があります。
※材質やサイズに関する詳しい制約条件については、
「サイズや材質に制約はありますか?」のQ&Aにて詳しくご案内していますので、あわせてご覧ください。
■ 鋳造材・溶接品・構造物は、色ムラが出やすい傾向。以下の要因により色調が均一になりにくいことがあります。
・材料内部の成分ムラ
・溶接部と母材の組成差
・表面粗さや加工履歴の違い
そのため、鮮やかな色合いや完全に均一な発色を求める用途では、事前検証や仕上がりイメージのすり合わせが重要になります。
■ ステンレスの製造ロットが混在すると、色合わせが困難になります
オロル処理は非常に繊細な発色技術のため、
同一材質であっても、製造ロットが異なると色味が変わる場合があります。
加工済み部品や製品については、
・ステンレスの製造ロットを確実に分けて管理する
・ロット混在を避ける
といった対応を行わないと、同色指定であっても色を完全に合わせることが難しくなります。
■ 材料ロットごとに、色合わせ用のダミー材料が必要です
安定した色再現のため、材料ロットごとに処理する材料と同一ロットのダミー材料(試験片)をご用意いただいています。
このダミー材料を用いて色合わせ・条件出しを行うことで、量産時の色ブレを最小限に抑えることが可能になります。