SUS302とはなんですか?

SUS302は、オーステナイト系ステンレス鋼の一種で、主に耐食性と強度を兼ね備えた材料です。SUS302はSUS304と非常に似た化学組成を持っており、わずかに炭素含有量が高い点が違いです。このため、強度がやや高くなりますが、SUS304と同等の耐食性や成形性を持っています。

主な特徴: 耐食性: SUS302は、クロム(約17〜19%)とニッケル(約8〜10%)の含有により優れた耐食性を持っています。湿気や酸性環境に対して高い耐久性があり、錆びにくい特性を持っています。

強度: 炭素の含有量がやや多いため、SUS304よりもわずかに強度が高くなっています。特に冷間加工によってさらに強度が向上します。

成形性: SUS302はオーステナイト系ステンレス鋼であるため、加工硬化によって強度が増す反面、加工性も比較的良好です。複雑な形状に成形することが可能です。

磁性: SUS302は、冷間加工後に部分的に磁性を帯びることがありますが、通常は非磁性です。

化学組成(例): クロム(Cr):17〜19% ニッケル(Ni):8〜10% 炭素(C):最大0.15%(SUS304は0.08%以下)

主な用途: SUS302は、SUS304と同様に、耐食性が要求される多くの分野で使用されていますが、より高い強度が必要な場合に選ばれることがあります。用途としては以下が挙げられます。

ばね材: 加工硬化を利用して、ばねやクリップなど高強度が必要な部品に使用されます。

自動車部品: 強度と耐食性が求められる車体や内部部品に使用されます。

建築材料: 耐久性と耐食性が重要な建築外装材や構造部品。

家庭用品: キッチン用品や装飾品などの耐食性が求められる製品。

SUS302は、特に高強度が求められつつ、耐食性も必要とされる場面で選ばれる材料です。SUS304と似た特性を持ちながら、やや強度が高いことが特徴です。