SUS302Bとはなんですか?

SUS302Bは、オーステナイト系ステンレス鋼の一種で、基本的にはSUS302と同様の化学組成と耐食性を持っていますが、特にばね材(スプリング)としての用途を考慮して調整されたバリエーションです。主に高強度と耐疲労性が要求される場面で使用されます。

主な特徴: 高強度: SUS302Bは、特に冷間加工によって硬化しやすい性質を持ち、ばね材としての弾性や高い強度が求められる場合に優れた性能を発揮します。冷間加工による硬化が大きく、応力に対する耐久性が向上します。

耐疲労性: 繰り返しの応力に対する耐久性(耐疲労性)が高く、ばね材や振動を受ける部品などでの使用に適しています。

耐食性: SUS302Bは、基本的にSUS302と同じ化学組成を持つため、優れた耐食性を維持しています。

湿気や腐食性のある環境下でも性能を発揮します。

加工性: 冷間加工によって高強度が得られますが、同時に複雑な形状への成形が可能です。

化学組成(例):

クロム(Cr):17〜19%

ニッケル(Ni):8〜10%

炭素(C):最大0.15%(SUS302と同様)

マンガン(Mn)、ケイ素(Si)、リン(P)、硫黄(S):微量含有

用途: SUS302Bは、特にばねや振動を受ける部品に適しており、高い強度と耐疲労性が求められる製品に使用されます。

具体的な用途としては以下のようなものがあります。

ばね材: スプリングやクリップなど、繰り返しの負荷を受ける部品。

自動車部品: 高強度が必要な小型部品や内部のばね機構。

航空機・産業機械部品: 耐疲労性が求められる部品。

医療機器: 弾性が必要な装置や器具の部品。

まとめ:

SUS302Bは、SUS302をベースに、特にばね材としての強度や耐疲労性を強化した材料です。

耐食性も優れており、過酷な条件下で繰り返し使用される部品に非常に適しています。