SUS304J2とはなんですか?
SUS304J2は、SUS304を基に銅(Cu)を添加したオーステナイト系ステンレス鋼で、主に冷間加工に適した特性を持つ材料です。SUS304J1と同様に銅を添加して成形性を高めていますが、SUS304J2はさらに加工性や耐食性に優れており、特に複雑な成形加工が求められる用途に向いています。
1. SUS304J2の成分:
SUS304を基にして、**銅(Cu)**が添加されています。これにより、成形性や加工性が向上しています。 銅の含有量は、SUS304J1と同様に約1~2%で、加工特性に影響を与えています。
2. 主な特徴:
優れた成形性: SUS304J2は、銅の添加によって冷間加工がさらに容易になります。深絞りや曲げ加工に特に適しており、複雑な形状を持つ製品でも高い成形性を発揮します。
高い耐食性: SUS304と同等か、それ以上の耐食性を持ち、銅の影響で特定の酸性環境に対する耐性が強化されています。
加工硬化の抑制: 冷間加工後の加工硬化が少なく、成形後も適度な柔軟性を保つため、二次加工が必要な場合でも加工しやすいです。
溶接性: SUS304J2は溶接にも適しており、溶接後の機械的性質や耐食性が良好です。
3. 用途:
SUS304J2は、特に高い加工性や成形性が必要な場面で使用されます。代表的な用途は次のとおりです。
キッチン用品: シンクや調理器具など、複雑な形状を成形する製品。
自動車部品: 加工性が重要視される自動車の小型部品や内装材。
家庭用製品: 家電の部品、洗濯機や冷蔵庫の内部パーツ。
装飾材や建築材料: 美しい仕上がりと成形性が求められる装飾材。
化学設備: 腐食性の強い環境に耐えるための化学プラント用部品。
まとめ:
SUS304J2は、銅を添加することで成形性と耐食性をさらに強化したステンレス鋼で、特に複雑な加工や冷間加工に向いています。SUS304J1よりも冷間加工の性能が向上しており、家庭用品、キッチン製品、自動車部品など幅広い用途で使用されることが多いです。