SUS316LNとはなんですか?
SUS316LNは、SUS316Lに窒素(N)を添加したステンレス鋼で、主に高強度と耐食性をさらに強化した材料です。名前から分かるように、**SUS316L**(低炭素)に加えて**窒素(N)**が含まれており、この組み合わせによって機械的特性が向上しています。
### SUS316LNの特徴:
1. **低炭素含有量**: SUS316Lと同様に、炭素含有量が低いため、溶接後の炭化物の析出が抑えられ、耐食性が向上しています。これは溶接作業が多い場合に特に有利です。
2. **窒素添加による強度向上**: 窒素を添加することで、降伏強度や引張強度が通常のSUS316Lよりも高くなります。窒素は鋼の結晶構造を強化し、より高い機械的特性を提供します。
3. **耐食性**: SUS316LNは、SUS316Lと同様に、塩水や酸に対する耐食性が非常に高いですが、窒素の影響で応力腐食割れ(SCC)に対する耐性がさらに強化されています。
4. **耐熱性**: 高温での強度維持に優れており、高温環境でも安定した性能を発揮します。
### 主な用途:
– **原子力産業**: 原子炉の配管や部品など、極めて高い耐食性と強度が必要な環境で使用されます。
– **化学プラント**: 耐腐食性と高強度が求められる装置や配管。
– **医療機器や食品加工装置**: 高度な耐食性が求められる環境での使用。
SUS316LNは、SUS316Lの低炭素と耐食性の特性を維持しつつ、窒素の添加によって高強度を実現した合金で、厳しい環境条件下でも優れた性能を発揮します。