SUS347とはなんですか?

SUS347は、オーステナイト系ステンレス鋼の一種で、主に耐食性や耐熱性が求められる用途に使用される材料です。この鋼種の特徴的な点は、ニオブ(Nb)またはタンタル(Ta)が添加されていることです。これにより、特に高温環境での耐粒界腐食性が向上しています。

SUS347の特徴:

耐粒界腐食: SUS347は、ニオブやタンタルの添加によって、炭化物の析出を抑え、耐粒界腐食に対する耐性が強化されています。これは、特に高温での溶接や熱処理後に有効で、溶接後の腐食問題を軽減します。

高温耐性: SUS347は高温での強度が優れています。800~1500°F(427~815°C)程度の温度範囲で、安定した機械的特性を維持するため、高温環境での使用に適しています。

耐酸化性: 高温下での酸化に対する耐性があり、長時間高温にさらされる環境での酸化や腐食に強いのが特徴です。

機械的強度: 他のオーステナイト系ステンレス鋼と同様に、優れた延性と強度を持ち、加工性が良好です。

SUS347の主な用途:

航空機や自動車の排気システム: 高温環境にさらされる部品で使用されることが多いです。

化学工業設備: 高温で腐食性のある化学物質を扱うプラントや設備に適しています。

ボイラーや熱交換器: 高温での耐腐食性や耐酸化性が重要な熱交換器やボイラーの部材として使用されます。

原子力産業: 原子炉や高温にさらされる配管など、厳しい環境条件下での使用が求められる部品で使用されています。

SUS347は、特に溶接や高温環境下での使用を考慮して設計されたステンレス鋼で、耐粒界腐食性と高温耐性が要求される産業分野で多用されます。