SUS444とはなんですか?

SUS444は、フェライト系ステンレス鋼の一種で、クロム(Cr)とモリブデン(Mo)を多く含んでおり、特に耐食性に優れた材料です。オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304など)に匹敵する高い耐食性を持ちながら、フェライト系特有の磁性を持つことが特徴です。

主な特徴:

高い耐食性:SUS444は、クロムの含有量が約18%、モリブデンが2%程度含まれており、塩分を含む環境や酸性環境、特に塩水に対する耐食性が非常に優れています。そのため、海水や塩化物環境下でも長期間の耐久性が求められる用途に適しています。

耐熱性:比較的高温環境でも安定した特性を持っており、熱交換器や給湯器の部品など、温度変動がある用途にも使用されます。

低熱膨張:フェライト系ステンレス鋼の特性として、オーステナイト系ステンレスよりも熱膨張率が低く、熱変形が少ないため、高温環境での寸法安定性が求められる場合に適しています。

溶接性:SUS444は、他のフェライト系ステンレスと比べて溶接後の耐粒界腐食性が良好で、溶接用途にも対応しています。

磁性:フェライト系であるため磁性を持ち、磁石に反応します。

用途:

SUS444は、耐食性が要求される環境で多く使用されます。具体的な用途としては:

給湯器やボイラーなどの熱交換器

自動車の排気系部品

海岸地域での建築外装材

キッチン用品や洗面器具

化学プラントなどの腐食性液体を扱う設備

これらの用途では、特に塩分や酸性環境に対する耐久性が求められるため、SUS444の特性が重宝されています。