Q&A
ステンレス鋼は一般的には抗アレルギー性があります。ステンレス鋼は非常に低い反応性を持ち、一般的な金属アレルギーの原因とされるニッケルなどの金属を含まない場合があります。
そのため、ステンレス鋼のアクセサリーやジュエリーなどは、金属アレルギーを持つ人にとっては安全 な選択肢となることがあります。
ただし、すべてのステンレス鋼製品がアレルギー反応を引き起こさないわけではありません。一部の人にとっては、他の成分や添加物がアレルギーを引き起こす可能性があります。また、アレルギーの種類や個人の感受性によっても異なる場合があります。
もしステンレス鋼に対するアレルギー反応がある場合、以下のいくつかの方法で緩和することができるかもしれません。
・高品質のステンレス鋼を選ぶ 質の良いステンレス鋼はより純粋で、添加物や不純物の含有量が少ない場合があります。純度の高いステンレス鋼を選ぶことで、アレルギー反応のリスクを減らすことができます。
・表面処理を行う ステンレス鋼の表面にコーティングを施すことで、直接的な接触を和らげることができます。例えば、ステンレス鋼のアクセサリーに金やチタンのコーティングを施すことで、 直接的な皮膚との接触を抑えることができます。
・皮膚の保護 ステンレス鋼のアクセサリーや製品を使用する際には、 皮膚との直接的な接触を避けるために皮膚の下に布や透明なバリアを置くことができます。これにより、アレルギー反応を緩和することができます。
しかし、個別の症状やアレルギーの状態によっては、ステンレス鋼製品の使用を避けることが最善の選択となる場合もあります。
皮膜が安定して形成されやすいオーステナイト系ステンレス鋼が主に使われます。
SUS304 最も一般的で、幅広い色(ゴールド、ブルー、パープル、グリーン、ブラックなど)の発色が可能で、美しく仕上がります。SUS316: SUS304と同様に発色が可能で、SUS316Lなども含め、耐食性がさらに求められる用途で使われます。
SUS301 SUS304に次いでよく使われます。フェライト系ステンレス鋼(SUS430など): 発色は可能ですが、オーステナイト系に比べて色調が暗くなる傾向があります。主にブラックの発色におすすめされることが多いです。
マルテンサイト系ステンレス鋼(SUS410, SUS420など) 同様に発色は可能ですが、色調が暗くなる傾向があります。主にブラックの発色におすすめされることが多いです。注意点: 異種金属が接合されている製品や、溶接焼けなどが残っている場合は、色ムラが発生したり、処理液が劣化したりする可能性があるため、事前に適切な表面処理が必要です。
光の干渉現象を利用した表面処理技術です。塗装やメッキのように顔料や異物を付着させるのではなく、ステンレス自体が持つ特性を活かして発色させます。
具体的な原理は以下の通りです。
不動態皮膜の存在 ステンレスは、その名の通り錆びにくい金属ですが、これは表面に非常に薄いクロムを主成分とする透明な不動態皮膜(酸化皮膜)が自然に形成されているためです。この皮膜が、空気中の酸素と結合して内部の金属が酸化するのを防いでいます。
酸化皮膜の厚さの制御 酸化発色では、この元々ある不動態皮膜を、電気的(電解発色)または化学的(化学発色)な処理によって、意図的に厚さを変化させます。 厚さの単位は数ナノメートル(nm)から数百ナノメートルと非常に薄いです。
光の干渉現象 ステンレスの表面に光が当たると、以下の2通りの反射が起こります。一部の光は、酸化皮膜の表面で反射します。残りの光は、酸化皮膜を透過し、その下のステンレス本体の表面で反射します。これらの2つの反射光が互いに干渉し合います。光は波の性質を持っているので、2つの波が強め合ったり、弱め合ったりすることで、特定の色だけが強調されて見えたり、消えたりします。この現象を光の干渉と呼びます。
色の変化 シャボン玉やCDの表面が虹色に見えるのと同じ原理で、酸化皮膜の厚さによって、どの波長の光が干渉によって強調されるかが変わるため、様々な色(金、青、紫、緑、黒など)を発色させることができます。
色がついたステンレスは、一般的に「カラーステンレス」や「着色ステンレス」と呼ばれます。
ステンレスの表面に酸化皮膜を形成して、光の干渉効果で色を付ける方法。通常の塗装と違い、金属光沢が残る。青、金、黒、ブロンズ、緑などの自然な色味が出せる。
1.識別性・認識性の向上 色には、物事を瞬時に区別し、認識させる力があります。これは最も基本的な、そして非常に重要な色の役割です。
2. 情報伝達とコミュニケーション 色は言葉や文字以上に、直感的かつ迅速に情報を伝達する手段となります。 感情や心理の表現 赤: 情熱、危険、緊急性、停止 青: 信頼、冷静、清潔感、安らぎ 緑: 自然、安堵、成長、環境 黄: 注意、幸福、明るさ これにより、私たちは色を見るだけで、その対象が持つ意味合いや、取るべき行動を無意識のうちに理解します。
データの可視化 グラフや地図などで色を用いることで、複雑なデータを視覚的に理解しやすくし、傾向やパターンを素早く把握できるようにします。
3. ブランドイメージと美的価値の向上 企業や製品にとって、色はブランディングの重要な要素であり、消費者の購買意欲を左右する要因にもなります。
4. 快適性・環境調整 色は、私たちの心理や生理に影響を与え、特定の環境下での快適性を向上させる役割も果たします。
心理的効果 部屋の色が落ち着いたトーンであればリラックスできたり、暖色系の色であれば暖かさを感じたりするなど、色によって気分が左右されます。
環境への適応 屋外の公園設備や遊具にカラフルな色を用いることで、子供たちの遊び心を刺激し、活気のある空間を演出します。
5. 耐久性・機能性の付与 (特にオロル®︎処理の場合)「ORORU®︎処理」のように、色を付けるプロセス自体が素材の機能性を向上させるケースもあります。
保護膜としての役割 構造色を発現させる酸化皮膜は、同時にステンレスの耐食性を向上させたり、傷つきにくくしたりする保護膜としても機能します。
衛生面での利点 特定の処理によって、指紋がつきにくく、清掃しやすい表面にすることで、衛生面が重視される場所での利用価値を高めます。
このように、色をつけるという行為は、単なる表面的な装飾に留まらず、識別、情報伝達、ブランディング、感情への訴えかけ、そして機能性の向上といった多岐にわたる目的を持っています。
「カラーマネジメントとは、「カラー(色)のマネジメント(管理)」、つまり「色管理」のこと。 例えば、印刷工程全体で、クライアント(発注者)がイメージしている通りの色(デザインや写真やイラストなど)を、印刷物(製品)で再現するために必要な手法・工夫を指します。」
1. 差別化の源になる 同じような製品やサービスが並ぶ中で、「他と違う」と一目でわかることが競争力になります。
例:ロゴ、パッケージ、色、ネーミングなど➡ 識別性がないと、埋もれてしまい、選ばれません。
2. ブランド価値を高める 「この色はコカ・コーラの赤」「この形はアップルの製品」といったように、識別されること自体が信頼や品質の象徴になります。➡ 識別性がブランドの記憶に残る力を強化します。
3. 業務効率が上がる 作業現場やチーム業務では、識別しやすい資料、役割、工程、人物があることでミスや混乱が減ります。色分けされた配線、名前入りの工具、識別しやすいファイル名など➡ すぐにわかる → すぐに判断・行動できる
4. 安全性の確保にもつながる 医療や建設、工場などの現場では、識別性の高い装備・表示(色・形・マークなど)が事故防止や誤使用防止に直結します。➡ 例:医薬品の色分け、警告サイン、作業着の色別
ORORU処理®は化学的処理(酸化皮膜処理)であるため、マスキングはできません。マスキングが難しいと考えられる理由この構造色を発現させるメカニズムの特性から、マスキングが難しい理由は以下の点が挙げられます。
① 液体にひたす処理の為
ORORU®処理では、製品全体を液にひたして膜を作るので、マスキングテープなどで一部をふさいでも、液がすき間から入りこみやすく、ふさいだ部分にも色がついてしまうことがあります。
② とても薄い膜なので、わずかなすき間でも影響が出る為
この膜はとても薄くて、ナノメートル(1ナノメートル=100万分の1ミリ)くらいの世界です。だから、ほんの少し液が入っただけでも、色が変わってしまったり、ムラができたりします。
③ マスキングの材料が液に弱い為
液の中に長い時間つける必要があるため、マスキングの材料(テープなど)がはがれたり、溶けたりするおそれもあります。
④ 色は膜の厚さで決まるため、厚みのコントロールが重要
色は、膜の厚さのほんのわずかな違いで変わります。段差や境目があると膜がうまくできず、色ムラやにじみが出やすくなります。
⑤ マスキングしたところの「段差」が問題になる為
普通のペンキのような塗装なら少しくらい段差があっても大丈夫ですが、構造色ではそれが大きな問題になります。膜が均一にできず、きれいな発色にならないことがあります。
⑥ 部分的に膜を作るのはとても高度な技術
構造色は、表面全体に同じように膜を作ることで、安定した色が出るしくみです。逆に、一部だけ膜を作るとか、厚みを変えるというのは、とても難しい技術が必要になります。
ORORU®処理は、とても繊細で精密な膜づくりが必要な技術なので、「ここは色をつけて、ここはつけない」といったマスキングがとても難しいのです。
ORORU処理®を施した製品の性能を長期間維持するためには、以下のメンテナンスが推奨されます。
1. 日常的な清掃 使用する洗剤:中性洗剤を使用してください。 清掃方法:柔らかい布やスポンジ(メラミン樹脂のスポンジも使用可)で表面を優しく拭き取ります。 避けるべきもの:研磨剤入りの洗剤や硬いブラシ、金属たわしは使用しないでください。 これにより、表面の光沢や抗菌性、防汚性を維持できます。
2. 酸・アルカリとの接触を避ける 酸性洗剤(pHが3以下))、あるいは、アルカリ性洗剤(弱アルカリ性(pH8-11)、強アルカリ性 (pH12-14))のような強い酸性あるいはアルカリ性物質と接触すると酸化皮膜が損傷し、色ムラ や性能低下の原因となる可能性があります。
3. 定期的な点検
表面の状態確認:傷や変色がないかを定期的にチェックしてください。
異常が見られた場合:製品の使用を一時停止し、専門業者またはオロル株式会社に相談することを おすすめします。
ステンレスの酸化発色は、その原理から非常に特徴的な色合いと優れた特性を持っています。ステンレス酸化発色の色の特徴金属感の保持:酸化発色は、透明な酸化皮膜によって色を出しているため、ステンレス本来の金属光沢や質感が失われません。塗装やメッキのように異物を付着させるわけではないので、素地の光沢(鏡面、ヘアライン、バイブレーションなど)をそのまま活かした発色が得られます。特に鏡面仕上げの場合は、非常に鮮やかで深みのある発色となり、ヘアライン仕上げでは、表面の凹凸によって色がミックスされたような独特の表情を見せます。
干渉色による色の変化 酸化皮膜の厚さをナノメートル単位で制御することで、様々な色を作り出せます。主な色としては、ゴールド、ブルー、パープル、グリーン、ブラック、ブロンズなどがあります。見る角度や光の当たり方によって、色が微妙に変化して見える「タマムシ色」のような現象が起こることがあります。これは光の干渉によるものです。
色の濃淡の調整 同じ色でも、皮膜の厚さや表面仕上げによって、色の濃淡や深みが調整可能です。例えば、黒色の場合でも、可視光線の吸収率によって「BLACK96」のように非常に黒いものや、わずかに光沢を残した黒など、様々なバリエーションがあります。
剥がれる心配がない 塗装やメッキと異なり、ステンレスの表面に元々ある不動態皮膜を厚くしただけなので、皮膜が剥がれ落ちる心配がありません。傷がついたとしても、皮膜そのものが剥離することはありません。
高さ1000mm以内が理想であるが、板厚によっては左右両端に約10mm幅の線跡が生じる。
※1000mmを超える場合、 左右両端の線跡に加え、上部にも線跡が付くか、または、上部に吊り穴を数ヵ所開ける必要がある。